旅人彩図 :  さんぽみち
  • ARキオスク端末のデザイン案 1/9
    【ARキオスク端末】
    ARとは、拡張現実 Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)の略語で、現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを指す言葉。※引用「wikipedia」
     
    キオスク端末とは、 街頭や店舗内に設置される、銀行のATMくらいの大きさの情報端末。※引用「e-Words」

    まぁ、今回私が自作した「モノ」はキオスク端末と言うよりもサイネージ(映像表示装置・電子看板)、「ARサイネージ」と言った方が適切なくらい、単純で一方通行な代物です。
    初期案では内部にノートPCを流用し、ARマーカーを台の上に置いて見るタイプを考えてました。4年生(10歳)の身長に合わせて作っています。
    ARキオスク端末のデザイン案 1/9
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  • ARってどんなものなの? 2/9
    ARってどんなものなの? 2/9
     
    1.「マーカー」と呼ばれる平面印刷されたマークを用意する

    2.PC接続されたカメラに「マーカー」を映す。

    3.PC内のソフトARToolkitがマーカーを認識する。

    4.マーカーに対応した3DモデルがPCカメラ映像へ合成表示される。
     
    モニタ画面内(平面)への合成表示ではあるが、リアルタイムで立体的に合成されるので、あたかもそこに(仮想)物体があるような視覚的感覚を得ることができます。
    既にゲームや観光地での情報提示などで実用されており、今後はPCモニタではなくヘッドマウントディスプレイや網膜走査ディスプレイなどへ表示することで、作業者を補助するなど、産業・医療分野での活用も期待されています。今回は図工3D作品の展示で使いました。
  • 小学4年生にもできる3D編集?! 3/9
    小学4年生にもできる3D編集?! 3/9
     
    えぇ、普通は小4には無理です。
    現在の一般的な3D制作(モデリング)は“頂点編集”と言って、上・前・横の3面図を表示(又はイメージ)しながら、多面体の頂点や面などを3次元移動させて制作します。この概念は10歳の子どもにはとても難しく、編集ソフトも内容が多く複雑なものがほとんどです。
    Metasequoia:3D頂点編集ソフト
    Cube Kingdom:ボクセル編集ソフト
     
    では10歳児には3D制作の知能が無いか?と言えばそれもノーです。
    “積み木”のような最小構成要素が既に立体(3D)の物であれば彼らにも制作可能です。用意したソフトも「1ブロックを足す・削る・色付けする」する程度しかできないシンプル設計なので、初めてPCを触るような子であっても直感的に3D制作が可能なのです。
  • ボクセルデータをレンダリング 4/9
    ボクセルデータをレンダリング 4/9
    ボクセルとは、3次元の粒子単位であり立方体を要素とする立体格子の1単位体積。3Dドットとも呼ばれる。
    一般的な3Dモデリングは難しいけれど、ボクセル(3Dドット)なら、かなりお手軽に3D制作できるわけです。さらに低解像度ドット絵では、造形的破綻の個人差が緩和されるのものポイントなのです。‥いや、ほら、図工で上手い下手がハッキリ判る絵を描く授業とか、みんな嫌いだったでしょ?

    CubeKingdomで制作したボクセルアート(3Dドット絵)は、次にレンダリングします。印刷できる状態の2次元静止画像データに変換出力するわけです。

    レンダリングとは、図形情報(数式・データ)を可視化する為のコンピューター処理のこと。3Dのデータの多くは単に多面体の頂点位置をxyz数値として列記したもので、これに面の質感や陰影を反映させて立体的に見えるようにすることがレンダリングと呼ばれている。

    今回のレンダリングは「平行法立体視できる左右2連結画像」を行いました。
  • 問題はOS操作なんです 5/9
    問題はOS操作なんです 5/9
     
    作り上げた作品である「3D+データ」という特性を活かさない手は無いわけです。「平行法立体視できる左右2連結画像」=「ステレオ画像」として取り出し(印刷)できたら面白いじゃないですか。(いや、予算が許せば3Dプリンタ出力がいいんですけどね‥※高さ3cmで数千円)
    CubeKingdomから直接ステレオ画像は出せませんが、別のレンダリングソフト(BCview)へデータを持って行けば、いとも簡単にステレオ画像レンダリングが可能なのです。
    しかもこのBCviewは影や輪郭線も付けられるなど、リアルタイムレンダリングではとても高機能。3Dモデルのスライドショーや静止画連続出力とかもできちゃうんですぞ!

    ただ、大きな困難があります。子ども達は、データ保存やファイルを開くなど、PC(Windows XP)の基本操作であるフォルダ構造などの概念がなかなか理解できません。
    立体視とかレンダリングとか全く解らずとも、画像は問題なく作れます。しかし、データを複数ソフト間で活用するのに、OS操作がおぼつかないと時間が足りません。
    週1回の授業じゃ、みんなOS操作のことなんて忘れちゃうんですよね。
  • 背景合成のひと手間と、L版プリント 6/9
    背景合成のひと手間と、L版プリント 6/9
    BCviewで平行法立体視できる2連結画像を出力(レンダリング)したら、それを印刷するのですが‥、その前にもうひと手間加えます。背景(遠景)を合成することで、立体視した時に“奥行き感”をより強く感じられる様になるのです。
    ※ペイントソフト:AzPainter
    背景には「ステレオ画像の法則に基づいた遠景となる2連結画像」を用意しなくてはいけません。子どもには緻密な2次元ピクセル編集は無理ですので、背景画像はこちらで(10種)用意して選ばせるようにしました。
    ソフト(AzPainter)でファイルを読み込んで合成保存するのは彼らの作業ですが‥ファイル操作は課題ですね。またAzPainterは機能豊富で使い応えあるペイントソフトですが、残念ながら画像合成の機能しか触れませんでした。
  • 平行法ビューワーで3Dを楽しむ 7/9
     
    平行法ビューワーで3Dを楽しむ 7/9
     
    3Dドットからレンダリング、背景合成まで経てようやく完成したステレオ画像ですが、まだ仮想空間(PC内)のデータでしかありません。
    まぁ、それはそれで活用方法はあるのですが、時間と苦労の結果が手に取れない“データ”では、子ども心にも親御さん的にも面白くない、味気無いはずなんですよ。
    そんなわけで“印刷”という手法で現実の世界に出力します。L版プリントです。写真屋さんにデータ持って行けば写真画質でPCグラフィックもプリントしてくれます。元々L版プリントに最適な解像度になるよう色々仕組んであったので、難しいこと色々抜きで美麗なステレオ写真が完成してきます。
    さて、ステレオ写真ですが、実はその歴史は「写真の発明と同時進行」で存在していました。ただずっとマイナーだったんですね。はじめてステレオ写真に触れる子も多く、当然のごとくその見方(立体視)は判りません。一応立体視の方法(眼球焦点の調整)を説明しますが、大人でも無理な人も多い裸眼立体視ですから、そこは文明の利器の出番です。 Loreo社発売の簡易ステレオビューワーで、楽々にステレオ写真の立体視が楽しめます。
    最後に、学年120人の作品を展示・鑑賞し、気に入った写真(10枚)を注文・配布するところまでやって、長期に渡ったこの一連の図工授業はおしまいです。 めでたしめでたし。
  • 4年生 図工「Voxel Project」流れとまとめ 8/9
    4年生 図工「Voxel Project」流れとまとめ 8/9
    Windowsでデータの扱いに関して大体理解できた子は2割以下でしょうか。各ツールでのファイルの開き方や指定形式での保存など、何をしていたのかサッパリ忘れてしまう子が大方で、独りでも家PCでVoxel Project制作を継続できる子は各クラス2・3名程度かもしれません。
    PC操作はそんなもんで、いいんです。教科は図工です。PCのデータによる制作という分野を経験し(物をつくる上で現代の主流)、立体をイメージする体験の最初の一歩(10歳の3D制作)になったのが大事だと、思います。
    ただ「10歳児にボクセル3D制作は可能」と前述(3/9項)しましたが、立体物をイメージ(設計)する能力発達はこれからです。もしかしたらずっとできない子もいるでしょう。この先、視覚イメージの蓄積とゲームや数学などのアプローチから、立体を詳細にイメージできる能力が多くの子に開花する為の布石となる事‥、これがこの題材の目標と言えます。
    それから、ネット閲覧に始終しがちなPC活用から、作り出す道具や制御・使役させるマシンとしてのPC活用へと早期に気づかせる事が、この題材の隠された“ねらい”って奴ですかね。
    1.Cube Kingdom でボクセル編集
    2.ARキオスク端末 で作品展示
    3.BCview で3Dレンダリング
    4.AzPainter で背景を合成
    5.平行法画像を印刷して掲示
    6.Loreo 立体視メガネで3D鑑賞
    7.気に入った作品をL版プリント
    8.データ&ツールをCD-Rで配布
    【 終了 】
  • 謝辞 9/9
    謝辞 9/9
    Voxel Projectの実践にあたって、使用したフリーソフトなど。(順不同)
     
      (C)加藤 博一,HIT Lab 他
    ARキオスク展示
      (C)太郎
    ARToolKitマーカーデータ作成
      (C)ウィリアム
    ARキオスク自動サスペンド移行
      (C)大西武
    MQO>VRML2データ変換
      (C)寺尾 進
    VRML改変 ARToolKit設定ファイル作成
      (C)O.Mizno
    MQOデータ編集
      (C)ramza3d
    ボクセル編集(※)
      (C)Garnet
    MQOデータレンダリング(※)
      (C)Azel
    レンダリング画像と背景の合成(※)
      (C)ぴょんきち
    各データ・アプリケーションアクセス(※)
      (C)lpctstr
    各児童作成データ等の検索と収集
      (C)Nagatsuki
    アプリケーション等を児童PCへ同期配布
      (C)BEIZ Graphics
    ステレオ写真の背景画像
      (C)Texturise.
    ステレオ写真の背景画像
     
    (※)は児童がPC制作で使用。各ソフトウェア利用規約・及び著作者の許諾を得て児童に配布いたしました。
    前ページ8/9項での3D表示flashは、塩肉亭よりお借りしました。
    各ソフトウェア・コンテンツを提供していただいた皆様にお礼申し上げます。
 3Dソフト?何それ?俺の知ってる図工と違う‥。